『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』 グレース・ケリーの素顔に迫る映画

『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』は女優として、そしてモナコ公妃として、世界中から愛されたグレース・ケリーの素顔に迫る映画である。

物語は、アカデミー賞主演女優賞を受賞し、オスカー女優となったグレース(ニコール・キッドマン)が、モナコ大公レーニエ3世ティム・ロス)と華やかなロイヤル・ウェディングを挙げるあたりから始まる。。

結婚から6年後の1961年12月。グレースは2人の子どもに恵まれながらも、王室の中では孤立状態にあった。政府要人の集まるパーティーでは、当時、権勢を誇っていたフランスのシャルル・ド・ゴール大統領の側近に政治批判をぶつけ、「米国流だ」と皮肉られ、パーティー後には「思ったままを口にするな」と怒るレーニエと口論になってしまう。。

同じころ、彼女にはヒッチコックから新作『マーニー』に出演しないかというオファーが寄せられる。夫レーニエにも相談し、お墨付きをもらったかと思えたグレースだったが、どこから漏れたのか国民の知るところになり、レーニエにも反対され、彼女の女優復帰への思いは、前途多難に。。

そうしたなか、モナコ公国に存亡の危機が訪れる。アルジェリア独立戦争で戦費が必要になったフランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払...